皮剥き間伐 伐採編

森へはいった。
昨晩はとうとう一睡も出来ず朝を迎えた。
木取り(どれくらいの大きさの木がどのくらいの量いるのかを設計から取っていく作業)が間に合わなかったのだ。
それでも、森に入れば空気がとても綺麗で清々しい気分になった。
よし!
がんばるぞo(`^´*)

きょうは新月から満月に向かうとき。
1年半前に皮剥きをした木を切り出そうと思う。
先日話題に出した新月伐採の観点からすると木を切るには不向きとなる。
更に。
皮剥き間伐は木が水分を湛える6月ころ、遅くとも7月までに行われる。
それは、切り旬と言われている、木の活動が停止する秋から冬にかけてとは季節も意味も全く逆になることになる。
しかし、その時期でないと皮は剥けないのだ。
そこから、生命を絶たれた木は自然の時間の流れのなかでゆっくり乾燥していく。
見上げると、木はすっかり葉を落としていた。
それでも、一緒にいった林業の木こりさんは「皮を剥いてない下の部分はまだ生きとったですよ。」とおっしゃった。
この木々は本当のところは今日命を絶たれるのでした。


20本程皮を剥いた木があると聞いていたのだが、現地に行ってみると細すぎたり曲がっていたり、実際に使える木はほとんどなかった。
それでも、木こりさんを二人お願いして朝6時半に唐津を出て、遥々隣の県まできて貰ったのだから、何かしら切って帰らないとである。どうにか5本だけ選んで頂いて切り出し始めた。
切っても木は直ぐには倒れない。
あっちこっちにひっかかる。それを木こりさんは長年の勘で導くのだ。
すごかった!
落ちどころが見つかると木はバキッと威勢のいい音を森に轟かせ、森の塵を日光にきらきらと舞わせながらスローモーションで倒れて行った。もしかしたら、一瞬のことかもしれなかった。だけど、そのなかには何かがあった。今もそのときの光景が眼に焼き付いている。

倒れた木を見ると、皮の残っている部分には木食い虫の跡が無数にあった。
皮剥き間伐ではなるべく上の方まで皮をうまく剥くことが大切になる。
以前、剥いた材はその量が少なかったため、結局虫が中まで入っていて使えなかったのだそうなのだ。
倒してもらった木々を、必要な長さに切り分け、下の道路まで降ろす。
この間伐方法の売りは、皮を剥き、自然乾燥した木が1年の間にとても軽くなり、道のない森でも、女、こどもが歩いて運び出せるというところである。
しかし、4〜5mほどに切った木はまだまだかなり重く、3人掛かりで引きずってもなかなか骨の折れる作業だった。
今のやり方だと、まず森にユンボが入って道をつくる。
そこへ車が入り、森の木を大きいのも小さいのも片っ端から切って行くのだそうだ。
森をつくるというのはとても大変なのだと思った。

木を切ったあと、桧や杉の良い香りが漂っていた。
やはり自然乾燥材は良い(^_^)
この木々が家でどのように変わって行くのか楽しみだ。