伝統工法見学会

プレハブ日記の更新もさぼり、というかあまり目に見える変化のない日々。
だけど、停滞していたわけではありません。
20冊程の建築の本を買い込み、勉強しながら母屋をどう造るか考えていました。
素人ながらに、やはり憧れるのは釘や金物を使わない家造り。
金物は木との相性があまり良くなく、年数の経過とともにボロボロに錆びて行きます。なのに、役所はそう決まっているからという理由で金物を推奨するのです。だけど、伝統工法で建てるのはとても難しい計算やら実験やら、個人で出来る物ではないと思っていました。


そんなとき、ふと思い出しました。
4、5年前、パーマカルチャー九州のM氏を訪ね、ストローベイルハウスの作り方を教えて頂いたとき。その後に母屋も建てたいと考えていると言った私に、セルフビルドするならこの建て方がいいよ!と『渡り腮』という仕口(工法)を教えてくれました。そのときは、まだまだ建築の知識も乏しく、ぴんときていなかったのですが、大事に保管していたパンフレット!を取り出し、眺めてみました。これだ!これで建てたい!
早速アマゾンで渡り腮工法の本を購入しました。渡り腮でつくった構造体に筋交いの代わりに貫、竹木舞、土壁で体力壁を作り、金物の代わりに込み栓を使用してありました。
渡り腮で造るメリットは仕口が簡単である上に頑丈、(例えば、一般的な在来工法で梁を架ける場合「大入れ蟻掛け」という仕口を使います。写真左 プレカットに出すと写真左中のような加工になります。小さな台形の部分で力を受けています。対し、渡り腮写真右2枚は上に交差しています。)

また交差した梁の上に更に桁を交差させ、その上に柱を立てるので柱への掻き込みが無く(一般的な在来工法では三方差しや四方から差すので、柱の断面欠損が激しい)折れにくい。といったようなことが魅力的に思えました。
この工法は、一般的な家が地震や風に対して剛性でもたせるのに対して、しなやかさ”靭性”でもたせるというのが特徴です。

 
たくさん本を買いましたが、私が熱心に何度も開くのはこの2冊です。
渡り腮工法で2階建てまでの家を建てるなら、この本と壁量計算などの簡単な木造建築の本、確認申請マニュアル、建築申請memoなどがあれば良いと思います。一般的な在来工法なら、渡り腮工法の本以外の3冊で大体分かってくると思います。(よっぽどの建築でなければ難しい構造計算の勉強はいらないです)

 
それで今日、タイミング良く『伝統工法の構造見学会』というのがあったので足を運んでみました☆
中には大工の棟梁さんがいらっしゃって、丁寧に説明して下さいました。
渡り腮ではなかったですが、石場建てでもなかったですけど、疑問に思っていた貫の通し方が分かりました。

でも、聞いていると、金物や火打のない家はなんとも確認申請を通すのが難しいらしく、苦労しそうです。
でも渡り腮、土壁、金物無しで建てるってもう決めた(^_^)/□☆□\(^_^)