伝統構法石場建ての家の棟梁に会いに行く旅!

家造りを始めてから、
それまでただの一人も建築関係の知り合いなんて居なかったのに、
たくさんの運命的な出会いが訪れて。
不思議だなあ。

今日の出会いも全く予想もしないところから始まった。
全然関係ないようで、何事も関係がある。

そういえば、このあいだ一緒に飲んだ社長さんがこんなことを言っていたっけ。
「だれも、目指しているところはそう変わりはない。
 だけど、すぐ止めるやつっていうのはいきなり最終目標を目指してる。
 そうではなくて、そこに行き着く為の小さなひとつひとつを丁寧にやっていく。
 それが大事なんだよ。こうやって君と飲むこともね。」
全てがひとつに繋がっているんだなあ。

伝統構法石場建ての家。
日本全国でも、一般住宅でそんな家はとても珍しい。
土台に柱を立てるのではなく、石の上に柱をのせる。
木で組み上げられた骨組みには一つの補助金物も使われていない。
今の時代にこの家を確認申請に通そうとしたら、強度を証明するのがとても大変で、木造建築に携わってる方々は口を揃えてこの伝統建築を賛美するのに、実際には造られることのとても少ないお家。
素人というのは突拍子もない理想を抱える。玄人からしたらモンスターだろうな。
建て方も知らないくせに、釘を一本も使わずに家を建てたい!なんて簡単に夢を見てしまう。。そして学校に行きながら読んだ本。人間国宝の方が「ばかも〜ん!木を寝せて使っては絶対にならん!!」といった場面がとても良く印象に残っていて、数日に1回は思い出しちゃうなあ。

こんなものを読んでしまっては、石場建ての家に憧れて憧れて…
見たい。見に行きたいなあ〜。
ってずっと心の中で燻っていて。今日、思いがけず叶ったものだから、テンションが上がりまくってしまいました。棟梁が建てた棟梁のお宅。

ひとつひとつの材がとても大きながっちりとした造り。
垂木が脅威の4寸角の半間飛ばし…でかい。
火打梁なんかもありません。
なんだか難しそうな継ぎ手と仕口。
でも、大半は金輪継ぎにオリジナルの栓(追っ掛け大栓継ぎの栓斜めバージョン)を足したもので継いでありました。
壁は全て塗り壁で、土も自作されていました。この辺りは温泉も鉄分の含有率が高いのですが、やはり土も同じらしく、塗られた壁は徐々に錆びてこのような黒い壁になったそうです。
本当に金物がひとつもなく、その、デンとした佇まいにものすごいオーラを感じました。
すごい。かなり羨ましかったです。まだ30代の棟梁。かっこいい☆

しかし、これを建てるというか、立てるのはとっても大変。
柱を最初に立てるのに、石の上に置くだけだから倒れちゃうし、それにいろんな部材を組み合わせて行くのだから、聞きながら想像していたら、眉間に皺よっちゃってました。
今回、来て本当に良かったなあって思ったのは、無理だ…と諦められたことです。
でも、石場建ては諦めても金物無しの木組みの家はまだ諦めてません。。
最近、本宅の設計に着手しました。どうなることやら楽しみです。

その帰り、せっかくだからと、藤森照信氏が設計された”ラムネ温泉”へ。
焼き杉の黒と漆喰の白のストライプが超クール!!

内風呂は沖縄の玉泉洞を思わせる可愛いお風呂。
外湯の炭酸泉は超温くて初めは寒いけど、ぷくぷくした泡をいっぱい身に纏うとぽかぽか。なんでも、抱えられて入っていたおばあさんが、3ヶ月後には歩けるようになったとか。すごく良いお風呂でした。

近くにとっても美味しい唐揚げ屋さんがあります。
棟梁に教えてもらったお肉屋さん。「秦精肉店
普通のお肉屋さんだけど、言ったらその場で揚げてくれます。

大分、素敵過ぎて途中下車のとても多い、全然目的地にたどり着かない旅でした。