錆び付いたものたち

3日前は確かに動いていた。
そして、その最後に錆び付かないように念入りにグリースを塗り付けておいたはずだった。だがしかし、わたしの大事な機械たちはびくとも動かなかった。
クレ556、サビアウトを何度も何度も大量に流し込み、経過を見守った。
今日からまた、この仮住まいを完成させようと思っていたのに。。
結局のところ、機械が無いと何も出来ない…代わりに1枚1枚手鉋をかける。ということも出来る。いやわたしには出来ない。
彼らをマキタへ入院させることになった。自動カンナは2度目の入院である。
彼らのすごい錆びように、マキタの方は絶句し、自分だけじゃ手に追えないと思ったのだろう、もう一人社員を呼んで来られた。
「はぁ〜〜、これは〜。こんなに錆びたのは見たことがありません。」
「どこに置いておられたのですか?お宅は海の側ですか?」
「いやぁ。あのぉ〜その…半島なんですけど、多分海の側じゃないですぅぅ。3日前には動いてて使っていたんですけど、グリースも塗ってなおしてたんですが…きちんと壁がないところに置いていたものですから。。」
「これは、動くかな。。やってみますけど、厳しいかもしれません。」
「ですよね(;´Д`) すみません。よろしくおねがいします。o○ (´、ゝ`)」

それから数週間後、
角鑿は元気を取り戻したが、自動カンナは帰らぬ人となった。
自動カンナを買い直すのは簡単なことではない。まず最初に母親にどれだけわたしの管理が悪かったかを人格まで否定されるレベルで聞かされなければならない。そして、あんたは小さい頃からそうだった云々と…ただでさえダメージを受けている心にこれでもかと傷をつけるのだ。わかっているよ、母さんよ。もう言わないでおくれ。
この錆び付き事件で、わたしは暮らしを変えることにした。